1994年11月21日
毎日新聞記事
元組員が米西海岸「伝道の旅」
「覚せい剤づけ神に出合って救われました」

 

 【サンタバーバラ(米カリフォルニア州)20日都時事】

聖書に出会い、クリスチャンに転向した日本の元暴力団員の男たちが「神の 愛」を舶説きながら、米西海岸各地の日系教会や少年鑑別所などを訪れ旅を続けている。訪問先では、欠けた小指や体の入れ墨を見せる型破りのパフォーマンスも。自らの半生を率直に告白し、各地で温かい拍手を受けている。

 伝道団の名前は、キリストを自分の身代わりにして処刑を免れたエルサレムの 極悪人、バラパから取った「ミッション・バラバ」。 アーサー・ホーランド師(四三)が、知り合った元組員貝らに呼びかけ、昨年暮れに結成。 十一月初め、カナダ・バンクーバーを旅立った。

十八日夜は、サンタバーバラ和の日系教会を訪問。 「日本から野獣たちを呼んできました」とホーランド師がメンバーをユーモラス に紹介し、「この人は電話の応対がなっていないと言われ、指を詰めました」と、 欠けた小指を突き出させた。日本語を交えて話す同師は機関銃のような早口で、 メンバーの悲惨な過去を紹介。しかし、口調はどこか漫才調で、全員が上半身裸になり、入れ墨を見せる一幕もあった。

 「組を抜けようと三年間、覚せい剤を打ち続け、最後は病院へ行きました。しか し、神に祈り救われました」。メンバーの一人が″極道稼業″をやめるまでの軌跡を語り終えると、聴衆から温かい拍手が起きた。